弁護士コラム

離婚相談「会話がない」(7):ケース別 解決までの流れ

2016.06.28更新

最後に、弁護士に依頼する必要があるか、考えましょう。

調停は、話し合いの手続ですから、基本的には弁護士に依頼しなくても進めることはできます。申立手続も難しくありません。

ただ、重要なことを話し合って取り決める場ですから、調停のいろいろな場面で、希望どおりの結論になりそうにないとか、思うようにうまく進まないとか、困ったことが起こることも多々あるでしょう。
そんな時は、まず法律相談をおすすめします。

1回の法律相談でアドバイスすれば解決することもありますし、速やかに弁護士に依頼することが望ましいケースもあります。

例えば、財産分与や慰謝料などの法律問題では、ご自身の利益を護るために専門家のサポートが必要な場合もあるでしょう。
子どものことが大きな課題となっていて家庭裁判所調査官が関与するケースでは、家庭問題に精通した弁護士に依頼することで、よりスムーズに調停を進めることができるかもしれません。

法律相談を活用して、それを見極めてみてください。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(6):ケース別 解決までの流れ

2016.06.25更新

円満調停や離婚調停を申し立てて、話し合いを続けてきたけれど、いい結論が出ない場合は、どうしたらいいでしょうか。

同居しているのに「会話がない」ことが今の困りごとなら、別居して環境を変えてみるというのも一方法かもしれません。
といっても、別居するにも、生活費のことや子どものことなど、決めなければならないことがいろいろあるでしょう。
夫婦二人だけでは会話が難しくても、調停を利用して、別居に向けた話し合いをすることができます。

生活費(婚姻費用)に関しては、夫婦の収入、子どもの人数と年齢を考慮した「婚姻費用算定表」を参考に、適正な金額を決めていくことになります。
子どもがどちらの親と一緒に暮らすか、加えて、もう一方の親との面会交流をどうするかについても、裁判所に間に入ってもらって、十分に話し合うことができます。

調停で、円満や離婚の結論が出ない場合には、別居期間中のルールをきちんと決めて調停を成立させる「別居調停」という結論の出し方も、選択肢のひとつになります。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(5):ケース別 解決までの流れ

2016.06.22更新

離婚調停を申し立てる場合の、獲得目標を考えましょう。

離婚調停では、まず離婚するかどうかで、申立人(あなた)と相手方(配偶者)の考えが対立するかもしれません。その場合は、相手方に離婚に同意してもらうことを最初の獲得目標として、話し合いを進めていくことになります。

双方が離婚に合意していても、それぞれ子どもの親権者になることを希望する場合もあるでしょう。一方が親権者となって子どもと一緒に暮らすなら、他方の親との面会交流についても、よく話し合わなければなりません。養育費も大切な問題です。
子どものことが調停での中心的な課題になるケースでは、家庭裁判所調査官が関与して、調停が進められることもあります。

さらには、財産分与や慰謝料など、金銭的な問題の解決が、主な獲得目標となるケースもあります。話し合いでうまく合意できればよいですが、お互いの希望金額がかけ離れているなど、話し合いが難航する場合には、法律を当てはめて考えるとどのような結論になるか、専門家のアドバイスを聞くことも必要になるかもしれません。

離婚調停では、離婚に際しての重要な取り決めをしますので、場面場面で進め方を間違わないためにも、困ったら、法律相談を活用されることをおすすめします。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(4):ケース別 解決までの流れ

2016.06.19更新

円満調停を申し立てる場合の、獲得目標を考えましょう。

円満調停の申立書では、「申立人(あなた)と相手方(配偶者)間の婚姻関係を円満に調整する」と求めます。
申立ての時点では、明確な目標がイメージできていなくても、調停での話し合いの中で調整していくことができるわけです。

調停では、申立人と相手方が、同じ日に家庭裁判所に出向き、交互に調停室に入って、調停委員(通常、男女2名)を介して話し合いを進めていきます。

ここで大事なのは、調停は話し合いの場ですので、相手方にも出席してもらう必要があることです。相手方が出席する見込みがなければ、調停は不成立となって終了してしまいます。まずは相手方に出席する気になってもらうことが、最初の目標になることもあるでしょう。

相手方も出席し、調停を重ねる中で、夫婦関係の中で困っていること(例えば、会話がないなど)を話し合い、その原因を考え、お互いが改善に向けて工夫したいと考えることができれば、必要に応じて夫婦間のルールや努力目標を定めて、調停が成立します。

または、十分に話し合って理解し合えたので、ルールは必要ないという場合には、調停の申立てを取り下げて終了することもできます。

円満調停では、最初から明確なゴール(獲得目標)を定めて、それに向かって進むことよりも、深く話し合って、今後につながる解決策をお互いに考えていくことが、大切なのかもしれません。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(3):ケース別 解決までの流れ

2016.06.16更新

では、何の調停を申し立てたらいいか、考えてみましょう。

これは、離婚したい気持と、夫婦関係を修復したい気持、どちらが強いかによります。
離婚したい気持が強い場合は、「夫婦関係調整調停(離婚)」を申し立てることになります(離婚調停)。
修復したい気持が強い場合は、「夫婦関係調整調停(円満)」を申し立てることができます(円満調停)。
離婚調停を申し立てた場合でも、話し合いの結果、夫婦関係を修復する結論で合意することもできますし、円満調停を申し立てた場合でも話し合いの結果、離婚を合意することもできます。一度別居して、冷却期間を置くという解決策もあり得ます。

調停の利点は、このように話し合いの中でいろいろな可能性を探して、柔軟に解決できるところにあります。それだけでなく、調停の中で決めたことは「調停調書」という書面になりますので、口約束だけの場合より、強い効力が生まれます。

では次に、調停での具体的な獲得目標を考えましょう。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(2):ケース別 解決までの流れ

2016.06.13更新

次に、どの手続で解決すべきか、考えましょう。

そもそも会話がないのですから、当事者同士で話し合って(協議で)結論を出すというのは難しそうです。
また、離婚をするかしないかの意見が対立して裁判になったとしても、会話がないだけでは裁判で離婚が認められる「離婚事由」(※)に該当するかどうかも難しいところです。

こんな時に便利なのが調停です。
調停は、話し合いの手続ですから、夫婦の間で問題になっていることを、裁判所に間に入ってもらって、じっくり話し合うことができます。申立手続も難しくありません。
必要なのは、
申立書等の書面(裁判所のホームページに書式があります)
費用(収入印紙代1200円、郵便切手代966円:東京家裁の場合)
夫婦の戸籍謄本
年金分割のための情報通知書(年金分割を求める場合)
です(状況に応じ、ご自身の主張を裏付ける資料等が必要になることもあります)。

調停の申立を考え始めたら、次のステップに進みましょう。

(※)裁判で離婚が認められるのに必要な「離婚事由」
1 不貞行為
2 悪意の遺棄
3 3年以上の生死不明
4 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
5 その他婚姻を継続しがたい重大な事由
(民法770条1項)

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

離婚相談「会話がない」(1):ケース別 解決までの流れ

2016.06.10更新

まず、方針を考えましょう。

夫婦の間で会話がなくなったのは、些細なことがきっかけだったかもしれません。でも、それが長期間続くと、夫婦関係を継続することが耐えられなくなってきます。それはごく自然な感情です。家庭を維持していくのに、不便なことも多々生じるでしょう。

そうはいっても、離婚となると簡単には決められません。
例えば、
結婚してそれほど間がなく、お子さんもいないご夫婦の場合には、離婚して新たな一歩を踏み出しやすいかもしれません。
子育て真っ最中のご夫婦では、お子さんへの影響や生活費の問題が不安要因になりそうです。
お子さんが中高生の年頃なら、教育費の問題が気になるでしょう。
年齢を重ねられたご夫婦では、財産分与や年金分割、これからの住まいのことを考えなければなりません。

これらの課題を克服して、離婚に向けて進み始めたいのか、それとも会話がなくなった原因をご夫婦で見つめ直して、もう一度、夫婦として二人で生きていきたいのか、率直な気持をお聞かせください。

方針がなんとなくイメージできたら、次のステップに進みましょう。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

「裁判で離婚するのはどんな時?」初回の無料相談を活用するコツ:手続編

2016.06.01更新

夫婦の利害の対立が激しく、調停でも話がまとまらない場合には、裁判で離婚を求めていくことになります。
例えば、離婚自体に争いがある場合、離婚の原因がどちらにあるかに争いがある場合、親権に争いがある場合などです。

裁判では、双方の当事者の主張と証拠に基づいて、最終的には裁判所が判断をすることになる(途中で和解することもあります)ので、求める判断を引き出すためには、専門的な知識や戦略が必要になるでしょう。結論の見込みも考えながら、進めていく必要もあります。
裁判してでも離婚したい、とお考えであれば、なるべく早い段階で、一度相談されることをおすすめします。

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投稿者: 弁護士 森岡かおり

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